



まゆ糸の断面(中央のフィブロインを囲むセリシン) |
![]() |
シルクセリシンについて
繭を構成する繭糸は2本のフィブロイン(絹質)とその表面を包むセリシンから成りセリシンの付着量は通常、生糸量の約20~22%であり、そのアミノ酸組 成はセリンが約36%を占めアスパラギン酸が 19%、その他アラニン、グリシン、グルタミン酸等から構成されています。 特にセリンは人間の肌に含まれる天然保湿因子(NMF)中に最も多く含まれるアミノ酸であり、皮膚の 保湿成分として重要な働きをしています。従来より国内 外で、セリシンの効果(皮膚、毛髪に柔軟性、 光沢を与える)を生かした製品の研究開発が行われています。 他社製品との相違点
一般的にセリシンの抽出は、その溶解剤として水及びアルカリ水溶液、界面活性剤、タンパク分解酵素等を使用し、抽出後にセリシン以外の不要物質をろ過、その他の方法で分別されます。 通常、アルカリ水溶液による加水分解ではアミノ酸にカチオン(水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムなど) が結びつき、単純に中和するだけでは完全除去が困難であると考えられます。 それに対して、弊社のセリシン抽出法は、繭そのものを薬剤を使用せず触媒的に微量の食塩を添加した水溶液 を電気分解したイオン水(酸性及びアルカリイオン 水)にて加水分解し、セリシンのみを抽出する 方法(PAT.P)によるためセリシンの生化学的性質を損なわず、安全性の高い製品です。 セリシンの用途と効果
1.化粧品製造原料として弊社製造セリシン抽出液は、化粧品原料として、外原規2006、加水分解シルク液に適合し、化粧水、 クリーム等基礎化粧品、シャンプー、リンス、ヘアクリーム等のヘアケアー用品への利用が可能です。 (肌、毛髪に潤滑性、柔軟性、光沢を与え、その表面を滑らかに補正します) 2.組織改良剤として 日常、我々が衣料として使用するシルクは100%セリシンを取り除いたフィブロインのみの完全精錬シ ルクではなく何パーセントかのセリシンが残されたもの が多く、絹製品の人体に対する生理的機能性 (吸放温性、触感性、着衣時の温度感等)はフィブロインの外側に残された皮膚と直接触れ合うセリシ ンの効果によ るものとされています。 それゆえ、綿、合繊、皮革、その他の繊維に対してセリシンをコーティングすることにより、それらの物 性を改良することができます。 |